高齢者福祉 「相続についてのQ&Aその5」

「こんなときどうなるの?どうすればいいの?」相続についてのQ&Aその5

リーガルワークス合同事務所 代表 西川 欽一

今回は、Fさん(女性)から借家に関する質問です。

Q:借り主の父親死亡で”出る”必要がありますか?

私は、父と母と3人で古い借家に住んでおりました。今年の春、私は3年間大阪の支社に転勤することになり、当初は通っていたのですが、通勤が大変なので、大阪の社宅に単身で引っ越しました。私の父は、小さな建設会社に勤めていたのですが、今年の8月に急死しました。納骨を済ましてまもなく、病弱だった母も倒れて入院してしまい、私たちが住んでいた家が、一時的に空き家になってしまったのです。そんなときに、大家さんから「この家の借主だったお父さんが亡くなったんだから、今年いっぱいで出て行ってほしい」という連絡が入りました。

母も、近く退院する予定なのですが、このことはまだ母には話せていません。母が退院したら、私も家に戻って母と一緒に住もうと思っていたのですが、大家さんの言うとおり出て行かないといけないのでしょうか?母が父を引き継いで借家人となって住み続けることはできないのでしょうか?

A:借家など賃借権も遺産相続の対象になります。

借地権・借家権の相続に関してはいろんな説がありますが、ここでは判例に基づいてお答えいたします。

まず、結論から述べると、一般的な借家権や借地権等の賃借権も相続の対象となります。つまり、お父さんの相続人が賃借権を相続できるということになります。これは、たとえ今現在、一時的に誰も住んでいないからといっても変わるものではありません。

ご質問の内容からは、相続人の数がわかりませんが、ご質問者のFさんとお母さんだけが相続人だと仮定すると、そのお二人で、この借家権(賃借権)を誰が相続するかを決める「遺産分割協議」を行って、いずれか一方が相続するとなったら、その人が借家人となるのです。もちろん母娘の共有(正確には「準共有」といいます)で相続することもできます。いずれにしても、お父さんが大家さんと交していた賃貸借契約をその相続人はそのまま引き継ぐことになります。

従って、その賃借権を相続した人が、「借家契約を解約したい」と言わない限り、大家さんが言うように出て行く必要はないと思われます。

しかし、公営住宅の場合は、入居資格が制限されているなど、少し特殊になりますので、Fさんの場合のように、当然に相続人がその権利義務を承継するとは考えられていませんので注意が必要です。この場合、条例などに規定があればそれに従うことになります。

「洛西タイムズ325号」2011年3月1日発行 Q&Aその5掲載記事

洛西タイムズ325号

NPO法人 京都いきいきやすらぎ推進協議会の3つの柱

1.高齢者福祉
2.児童虐待防止
3.草の根運動への寄与

児童虐待防止の活動について詳しくはこちら

草の根運動への寄与の活動について詳しくはこちら

賛助会員募集

運営元

     
NPO法人
京都いきいきやすらぎ推進協議会
     
京都市南区久世川原町198-18
TEL / FAX 075-921-8147
お問い合わせはこちら